naebono Talk 「アート・アドバイザー 塩原将志に訊く!!アーティスト、ギャラリー、コレクターのリアルな場」第6回
(第5回はこちら)
第6回 タグチ・アートコレクションについて + 質疑応答
山本:
では最後に、その高橋作品もめでたく新コレクションとなりました、
タグチ・アートコレクションについての具体的なお話を、
これからみなさん展覧会も見にいかれると思いますので、
少し説明していただいて、質疑応答に移ろうと思います。
すいません、なんか先にいろいろ喋っちゃって。これから自己紹介めいたことをさせていただきます(笑)。
コレクションは、父が最初に始めていまして、最初は家族は誰も関わっていなくて。
父はミスミグループという今もある機械部品の専門商社の創業者でした。
例えばポップアートのアンディ・ウォーホルによる、
今まではオリジナルにこだわってたアートがもう、プリントしちゃって複製を作る、みたいな世界とか、
たまたま見かけた元は「落書き」のキース・ヘリングとか、それらがあまりにも衝撃だったので、
会社にまず架けて、社員に見てもらって、同じことを社員にも伝えたい、
そういうイノベーティブな発想を社員の人にも触れてもらいたいって言って、コレクションを始めました。
その時に広本伸之さんがミスミのアドバイザーに入っていて、
アメリカンポップアートがめちゃめちゃ大専門だったので、その方にアドバイスしていただいたのは、
父にとってもすごいラッキーでした。
で、コレクションが始まったんですが、2001年かな、父は社長を退任しまして、
会長になって経営を次の方にバトンタッチしたんですね。
そうすると、会社のコレクションというより個人で今度集めようかなっていう話になって。
2000年前後から、個人的なコレクションを積極的に集め始めています。
当初がまず「会社に架ける」から始まっているので、また将来またいっぱい人にみてもらうってことで、
家のここの壁にとかそういう発想が無くて、家のサイズ関係無く作品を選んでおりました。
なので、会田誠さんの7m×3mなんかをけっこう最初の頃に買っちゃったりして、
トラックにも入らなかったり(笑)、色々大変でした。
現在500点くらいになっています。220作家くらいで、世界で活躍する若手作家を中心にセレクトして、
その辺りは先ほどお話ししたとおりです。
2010年ころまで、父がどんな作品をどれだけ持っているのか家族も誰も知らなくて、
そのままじゃちょっとやばいだろうということで、5、6年くらい前から私が手伝って、関わり始めました。
私自身はアートの勉強を専門的にはしておりません。
なので、逆にその当時からすでにアドバイザーだった塩原さんに色々教えてもらって。
あと、父が実はミスミを辞めたあとに立ち上げたベンチャーの会社で立ち上げて始めたのが、タグボートだったんです。
タグボートは今は徳光さんの会社になって、彼が独立をしてずっと続けていらっしゃるんですけど、
立ち上げの時には、そこの会社でも塩原さんにはアドバイザーをしていただいたりとか、
他にもギャラリストとして活動されている方で、昔うちの父のベンチャーにいたっていう方はけっこうおりまして、
そういう方達にも結構アドバイスをもらいながら、マーケットの見方とか作品の見方とかを学びました。
一番最初に何をしたかというと、全く何もわからないので、
まず父が持っている作品の作家さんと作品について知ることから始めました。
この作家さんが今マーケットでどう評価されているのか、買った時の値段と今の値段の評価額がどれくらい違うか、
そういうことも全部調べて。なんで買った時3000万円だったのが、今何百万とかになっちゃってるのか、みたいな。
山本:
うはあー、、、。
田口:
そういうのも残念ながらいくつかあって。それらに関しての調べ方も教えてもらいました。
専門家の方に会ったりしながら理由を調べてみると、例えばね、
その作家さんは最近あまり個展をしていない、展覧会が大きなギャラリーで開かれていない、とか。
逆に、お値段は高くなっていないけれども、作家としての評価のランキングは上がってる人もいるんですよ。
それもなんでなんだろうって思ったら、
例えばビエンナーレとかトリエンナーレとか、芸術祭みたいなものにはよく招待されているけれども、
ギャラリーでの展示とか、オークションでの販売実績はすごい少ない。そういう乖離の理由がわかったりとか、
色々調べると、アートの値段って、ただ単にムードで上がったり下がったりしているんじゃなくて、
何か理由があって変化してるんだなっていうのが、ちょっとわかったんですね。
なるほど、すごくわかりやすいなと思ったんですよ。ちゃんと何か裏付けがあるから。
先ほどのクーンズのウサギのお値段って、別に突拍子も無い値段じゃないよという塩原さんのお話があったように、
やっぱり前提となるルールがあって、それに基づいて物事が動いているんだなということがわかってきたんです。
勉強も兼ねて海外のフェアなども見るようになってくると、
作品や作家さんの動きと、自分で調べてわかってきたことが、繋がってくるんですね。
そうなってくると、単に趣味とかそういうことだけじゃなくて、もうちょっと色々勉強して、
作品を皆さんにずっと見ていただき続けられるように、
コレクションとしてきちっと保全していけたらいいなと思い始めるようになったので、
そういう方向でなるべく努力しようということで。
今は展覧会も回数が増えてきて、父はもう一切細かいことはやらないので、高齢でもあるし。
なので、ほぼ私が全部やることになっています。
父はペインティングが好きだったんですが、私がやるようになってからはメディアはだいぶ拡がって、
映像も写真もインスタレーションも買うようになってきています。
映像作品は、、、50作品くらいあるかな?
スライド37
年間のアートイベントには、なるべく行ける時には行くようにしています。
塩原さんに最初に言われたことは、「5年は見続けてください」って言われました。
私はそれまで海外のアートフェアなんか行ったことなかったんですけど、
じゃあがんばって5年まず行ってみようと思って、今年の12月で5年経ちます。
塩原さんが「5年」と言った意味が、最近私もわかってきました。
最初は作家さんの名前も知らないんですよ。だけど、あ、この人面白いってチェックするじゃないですか。
そうするとまず、点になって入ってきますよね、作家さんの名前が。
それが今度、どこかの美術館に行くとそこのコレクションに架かっているとか、
あるいはどこかのビエンナーレに出品している、となってくると、点が線になってくるんですよ。
そうなってくると、作家さんの活動の内容も、リアルに見えてくるし、
どういう人たちがその作家さんの周りにいるのかも見えてくるので、非常にわかりやすい世界だなと思って。
だから、見続けることの大切さをすごく感じました。
いつも予算が潤沢にあるわけじゃないので、予算が無い時にアートフェアを見ると、
買えないのにいい作品が目の前にいっぱいあって、
今回は(購入は)無理だなって思いながら見るのはすごい辛いんですけど、
見続けていかないと、次に何か出てきた時の情報のつながりが無くなるので、
それはがんばって、コレクターとしての勉強、試練だと思って見ています。
塩原:
美和さんに5年見続けて下さい。とお願いした理由の一つに、画廊のプログラムが一巡して2周目に入ります。
短いところでは3周目に入っていて画廊の浮き沈みがはっきり見えるようになって来るからです。
維持していれば御の字、この頃から消えて行く所も出始めます。
上手くやった(アーティストの成長と加入プログラムの充実、顧客の拡大)画廊はこの頃から加速し出すのです。
田口:
あとは、そうですねえ、、、
山本:
あ、ここ(スライド)も僕、聞きたかったところですね。
スライド38
ここですか、ここは単なるボヤきだと思っていただければいいんですけど(笑)。
コレクションを継続したいからと先ほど申し上げたのは、継続が大変だからですね。
継続を出来るように続けていきたいと思っていて、まずは具体的に言っちゃうと、作品の保管。
今100坪くらい借りてますけど、足りないんですよね、倉庫。
美術品倉庫の温湿度管理しているところとしていないところがあります。
やっぱり写真とか紙とか、映像もフィルムがあったりもするので。
あとデータが飛んだりすると心配なので、その辺は全部、温湿度管理しているところに入れてます。
そういうところは高額ですし、油絵とか、丈夫な立体などはそうじゃない一般倉庫に置いたりすることもあるんですけど。
そういった作品の保管料とか、あと、メンテナンスもね、、、
2000年より前に買ったものとかは、絵具の多少の変色もあったりとか、それも直さなきゃいけないし、
会田さんの作品なんかも大きいのを何度もロールしているんですね。7mだと張ったまま仕舞えないので。
山本:
はー、、、
田口:
展覧会に出すたびに貼りなおしていますと、キャンバスの周りのほうがヨレヨレになってきたりするので、
そこを補強しなきゃいけないんですけど、何十万もかかっちゃったり。
そういうこともやらないといけないですし。映像だと、機材の問題もありますし、データが飛ぶこともあります。
展覧会の前の日にデータが飛んで壊れちゃったことがあって(笑)
慌てて、ドイツのギャラリーに塩原さんに電話していただいて、データを送ってもらって。
受信して、再生して、間に合った、っていうこともありました。
映像の管理もまた、これもまだまだ専門家から学ばなければいけないと思っているところです。
そういったことを、地道に、コツコツと、メンテナンスを含めてやっていかなきゃならなくて、
場所も取るし、管理費もかかるということで、車を維持するよりさらに、何十倍もかかる(笑)。
続けるためには、なんというか、熱意っていうのかな、それが無いと無理かなと思います。
なんとなく、惰性で続けられるものではないなという気はしています。
あとはまあ、作品を見続けて、いい作品に出会える場に自分がなるべく行って、
情報も集めてっていう努力をやっぱりしなきゃいけなくて、
それは大量に継続的に見ることでしか、学べないと私は思っています。
昔の作品も今の作品も両方見る。それは塩原さんもおっしゃっていたのですが、
将来残るものを判断するために、残ったものを見ておかないとわからないので。
アートフェアなんかに行くと、フェアに行くのは最初の1日目、2日目くらい。
あとの時間は、同時期にやっているギャラリーの個展と、美術館の展覧会をしらみつぶしに見るようにしています。
新しい人も古い人も、全部。
場合によっては、常設展も。オルセーとかには、同じ作品がずっと架かってますけど、
何回も行って見るようにしています。
いい作品を見た時の、バイブレーションみたいなものって、
時々見てリフレッシュしておかないと、色褪せてしまうんですよね。
でも色褪せさせないでその感覚を持っておかないと、良い作品の前に立った時に、その感覚をキャッチできない。
ロンドン、NY、どのアートフェアに行く時もそれは全部なるべくやれる時間を作って、朝から晩まで、、、
塩原:
千本ノック(笑)
田口:
そう、アート千本ノックと巷では(笑)
周りからは言われているんですけど、それでスライドにこの絵を(野球のイラスト)入れたんです!
(会場 笑)
塩原:
星一徹!
試合感、ゲーム感みたいな感覚をいつも持っておかないと、勘、感覚って継続できないんで、
いつでも続ける努力をしないと。
田口:
ロジックだけではね、わからない部分も当然あって、
それってやっぱり作品の前に立って感じるものだったりとか、そういうことも意識しておこうと思っています。
もうひとつ、私は若い人を中心に集めていて、例えば前澤さんみたいな百何十億も買える方もいれば、
色んなコレクターさんがいて、ああなりたいかっていうと、、、
なれるかっていってもなれないし、あのスタイルはあの人のやり方だし、相応の大変さも当然あって。
さっきもヒエラルキーっていう言い方もしましたけど、
それだけじゃなくいろんなポジションのコレクターさんがいると思っています。
うちはムニューチンさんたちが空中戦をやってるところの(上の方)、まあこの辺(中間あたり)なんですけど、
その範囲でも出来ることがすごくあるし、アートをみんなと楽しめるような場を作ることに貢献できるとか、
そういうことはあるなあと思っていて、細々とこういう努力を続けています。
コレクションはお金持ちでなければ楽しめない、っていうものでもないんですね。
いくつかのヒエラルキーは当然あります。
でもそれぞれの立場でやれることはいっぱいあって、そういう意味でもアートってすごく面白い世界だなと思っています。
塩原:
オークションで、バイヤーズルームに立つよりも、セラーズルームに立つ人のほうが、
先に買ってるってこと。儲かっちゃった。ってことなんですよね。
売り手がいるから買い手がいるわけであって、売る人はその前の段階で買っている、、、
前澤さんのバスキアも、その前にもっと違う(安い)値段で買ってる人がいたってことなんで、
若い作家さんや同時代のものを買うっていうことは、
(田口さんは売らないかもしれないけど)まず買うって事がセラーズルームに立つ唯一の道、早いもの勝ちっていうしね。
田口:
売らないとは思いますけど、気持ちとしてはそっちですね。
百何十億で買う側よりも、その作品を昔のうちに買って、将来出す側に立ちたいって、
ちょっと思っています。そういう立場の、密かな楽しみ、かな。今はね。
狙って買ってるわけではないですけどね。将来一個でも二個でも、そんな風になれば面白いかな。
山本:
ありがとうございました!
なかなか、、、普段は聞けない貴重なお話が盛りだくさんだったと思います。
この後に交流会もあるので、質問はその後に沢山してもらえればいいんですけど、
時間も押してますので、何人か、切実な質問をぶつけていただきたいなと思います。
塩原さんでも田口さんでもよろしいので。
質問者1:
少しずれるかもしれませんが、
塩原さんはトップアスリートだったという噂を聞いたんですけど、
スポーツの例えがさっきも色々でてきたなと思ったんですよ。
スポーツの世界とアートの世界の、塩原さんにとっての関連性みたいなのってあるのかなと。
塩原:
申し上げたように僕は赤城山っていう、小さいスキー場のある山で生まれてそこでスキーを始めました。
北海道はスキー場も大きいし選手も強いのですよ。
その人達のところ(北海道のスキー場)に行ったら、すげえ奴いるなあと思ったけど、
その人達には負けたくないとおもいました。
どうやったら環境悪いとこにいても、こんなこの人たちと戦えるようになるのだろうかってのは、
子供の頃からずっと考えていました。
今はアートで、まあ日本では少し色々言ってくださる方はいるけど、海外に行ったら僕みたいなのが山ほどいるんですね。
最初に遠征に行った時も、地元(日本)ではチヤホヤされていたのですけど、
海外に行った時、スキーのメーカー(スポンサー)がついてる僕が、
向こうのメーカーもついてない奴にころっと負けるのです。
あ、こんなに差があるんだと思って。
アートでも同じで、こいつらってどんなことやっるのだろう? って。
打ち負かそうっていうより、一体こいつら何をやってるのだろう ってところに興味を持ってる。
アートもスポーツも同じような感覚です。
ここで見られないものは、外に出て行って見てこようと今も必死にやっています。
質問者2:
近年、プライマリーギャラリーの段階でもマスターピースの価格が上がり、
美術館の予算でも作品が買えなくなっていると聞きます。
今回のコレクション展のような美術館とコレクターの協力のような形式も増えるのかな?とも思いますが、
塩原さんからみて、美術館のプレゼンスが下がり、逆にコレクターのプレゼンスが上がっている、
と感じることはありますか?
塩原:
美術館のプレゼンスを維持し、さらに上げるための活動ですよ。
歴史は積み重ねなければ出来上がらない。
プライマーでもセカンダリーでも、値段が上がってなくても、上がっていない作品でも、
大部分の公立美術館は十分な予算はありません。
美術館予算がなければ無い袖は触れないし、新しい作品がなければ、研究もできないし、
それまでにある作品の再評価しかできない。
民間の資本と上手く協力することが必須でしょ。
その上でアカデミックな新しい価値観や歴史を刻む作業をするのが美術館。
それが個人コレクションの価値にも繋がって行く。 Win Winの関係です。
美術館や個人のプレゼンスの問題ではなく、日本の人達が今それらの作品を実際いつでも見られなければ、
自分海外に行けるようになって既に刻まれた歴史を見るしかできない。
日本の子供達までが当たり前のように見られることが, 大切じゃないかな。
質問者3:
例えば西洋型の美術史の権威性に疑念を感じ、
半ば抗うようなスタイルで地方の歴史をテーマに美術作品を作るようなアプローチもあると思います。
アジアや南米の作家を購入候補としてピックアップする時に、
既存の西洋型美術史の判断に当てはめないようなケースはありますか?
塩原:
西洋型の美術史に目を向けようがどうしようが、art market は西洋美術史が背骨なのです。
権威とかそんなことじゃなくて鑑賞者や購入者、享受する側のベースが西洋美術史ってことです。
世界中それぞれローカルな歴史はあるし
ローカルな歴史をテーマにしてもその価値をいかにグローバルに理解させるか、伝えるか? がじゃないかな。
作品を作る人がどんなアプローチしていたとしても、
買う人はその活動や作品に共鳴、共感できなければお金を出さないだけ。
それでもどうしても西洋が嫌なら、販売を日本の美術市場または地方の理解者をターゲットにするしかない。
南米の言語はスペイン語ポルトガル語です。 日本よりもっとヨーロッパに近いのですよ。
中国は西洋美術史と違う価値観を作ろうとしています。
それはユダヤ人が作ったアートマーケットに対し、華僑が別の市場をまたは基準を作ろうとする動きのようにも感じます。
質問者4:
作品を購入したり所有したりするときに、維持しなきゃいけないじゃないですか。
強度が弱いものとか、そういう点で購入判断はどのように影響を受けているのかと、
そこでかかる経費なども気になります。
田口:
私の立場から言いますね。
あまりにも、これを持っていくにはどうしたらいいのかよくわかんないっていうのは、
ちょっと、良いなあって思っても、対象にはなかなか入らなくなっちゃうんですけど、
うちはまだ比較的、そういう作品もうっかり買ってしまうほうなので、、、(笑)
(会場 笑)
田口:
あとで届いた時の箱の作りを見て驚くとか、ありますね。
大きいペインティング、一枚の油彩のペインティングを買ったつもりだったのに、
二つに折れ曲がってUの字になって、真ん中になんか太いロールみたいなのが入ってたんですよ。
その作家さんの作品は絵具が所どころモリモリしてるから、巻けないんです。
ですからUの字で、、、すごい量の空気を運びましたよ。アメリカから。すごい金額で!(笑)
あと、インスタレーションで人が12人とか、そういうのを買っちゃってるんですけど、、、。
買っただけじゃなくて買ったものをこっちに運ぶだけで、多額の輸送費がかかっています。
例えば今年だと、1200万円くらいかかってます。
(会場どよめく)
ね、500万、600万を2回くらい払いましたよね。
塩原:
そうですね。
田口:
そのくらいかかっているのと、先ほども言った倉庫代も、
今は東京湾そばにあるヤマト運輸の美術品倉庫に預けてますが、年間、えー、1500万くらいはかかっているかな、、、
出し入れとか、入庫時のチェックは一日がかりだと30数万かかるので、
たぶん年間で倉庫にかかってるお金は、2000万くだらないと思うんですよね。
それは倉庫だけなので、修繕が必要なものに関しては、またそういう専門の人に頼んだりとかしなきゃいけないので、
当然別途かかってしまいます。
うっかりそういう作品も、買ってしまいますね。はい。
山本:
すごい話ですね、、、
田口:
ただ、なんでそういう作品も買ってしまうのかというと、
みなさんに見ていただく時に、展覧会を開かせていただくチャンスはあるほうなので、
みんなが同じ平面作品ですとやっぱりね、展覧会で構成もやりずらかったりとか、
バラエティに富んだメディアがあったほうが、見るお客さんも楽しいだろうなというのもあって。
ちょっと面白そうなのをどうしても買ってしまう。
どちらかというとそっち目線で買ってしまって、後から、すっごい輸送かかりましたね、、、
って話になることも、けっこうあります。いいのかな?こんな感じの回答で。
だから、作品本体価格以上にかかっています。
(会場 笑)
山本:
こういう話を聞くと、最初の、7つのプレイヤーはお互い信頼しあって、、って話がでましたけど、
アーティストもちゃんとしなければならないなあと、改めて思わされますね。
田口:
そう、アーティストさんに要望があります!
山本:
おお!?
田口:
インストラクションをたくさん、ちゃんと作って欲しいなと思います。
ちょっと面倒臭い、難しい展示が必要な作品には。
山本:
説明書みたいなものですね、インストラクションって。
田口:
そう、説明書をちゃんと作っていただけるとありがたいなと思いますね。
インストラクションが何も無くて、どうしたらいいんだろう、、、となりながら、
作品を組み立てることもあるんです、本当に。
だけどそれは、ヤマトさんだからやってくれますけど、経験もあって慣れてますから。
そうじゃなかったら絶対できないと思うので。
インストラクションをちゃんと作っていただけるとありがたいです!
山本:
ありがとうございます。
みなさん、メモしましたか?
インストラクションは大事と。大丈夫ですか。
(会場 笑)
塩原:
大事ですねえ。
山本:
じゃあもう2時間以上、お話いただきました。
最後にもう一度、展覧会の紹介をお願いします。
田口:
球体のパレット展、北海道4館を巡回させていただいて、
帯広、釧路、函館、ときて、今回の札幌芸術の森美術館がトリを飾るかたちで、
11月19日から展示が始まります。来年1月13日まで開催していますので、よろしかったらいらしてください。
よろしくお願いいたします。
山本:
それでは搬入中のお忙しい中、お二人とも本当にありがとうございました。
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